
登山レインウェアの選び方ガイド|低体温症を防ぐ視点と素材(GORE-TEX)の種類・数値の見方
登山レインウェアの選び方を、低体温症の予防という視点から整理。GORE-TEXのPro・Active・Pacliteの違い、耐水圧・透湿性の数値の見方、着るタイミングとケアを、公式情報にもとづいて解説します。
目次
この記事は2026年10月10日時点で、GORE-TEX公式サイト、モンベル公式オンラインストア、北海道・文部科学省・山と溪谷オンラインの低体温症に関する情報をもとに更新しています。記事の後半の製品一覧にはアフィリエイト広告が含まれ、一覧の価格・仕様は目安です。製品の価格・素材はシーズンごとに変わるため、購入前に販売ページや公式サイトで確認してください。
登山でレインウェア(雨具)は、雨を防ぐだけでなく、風と濡れによる体温低下を防ぐための装備です。

レインウェアが必要な理由:低体温症
北海道は、2009年の夏に大雪山系トムラウシ山で8名が亡くなった遭難事故の主な原因は低体温症だったと説明しています。低体温症は、深部体温が35度以下に下がった状態で、「体温が奪われること」と「体の熱が作れないこと」が重なると起こります。標高や季節に関係なく、低い山や真夏でも起こりうるとされています。
北海道は、体温が奪われるのを防ぐ方法として、次の2点を挙げています。
- 濡れることから守る(レインウェアを着る、雨や汗で濡れた衣服は着替える)
- 風を防ぐ(風が強くなったときはレインウェアなどを着る)
山と溪谷オンラインの夏山診療所の記事も、行動中に雨が降りだしたら様子見をせず、すぐに雨具を着るようすすめています。

防水透湿素材
登山用レインウェアの多くは、防水性と、汗の水蒸気を逃がす透湿性を両立した素材を使っています。

GORE-TEX の種類
GORE-TEX公式サイトとゴア社の担当者の説明では、種類ごとの特徴は次のとおりです。ゴア社の担当者は、どれが最も優れているということではなく、用途に合わせて使い分けるものだと説明しています。

- GORE-TEX Pro: 過酷な環境向けの3層構造で、丈夫さと耐摩耗性を重視しています。
- GORE-TEX Active: 軽量で、極めて優れた透湿性を備えた3層構造です。ハイペースの激しい有酸素運動に向きます。
- GORE-TEX Paclite: 2.5層で、軽くしなやかで、コンパクトに収納できます。
- ePE(次世代): 2025年秋冬から採用された、延伸ポリエチレンのメンブレンです。PFASフリー(微量が含まれる可能性はあります)で、軽く丈夫です。モンベルのレイントレッカーにも、すでに使われています。
旧版にあった eVent や DERMIZAX、ENTRANT の説明は、公式情報で確認しなかったため削除しました。
メーカー独自の素材
モンベルは、GORE-TEX以外に、独自の防水透湿素材「ドライテック」「スーパー ドライテック」を使っています。たとえば「ストームクルーザー」は、第10世代からスーパー ドライテック(3レイヤー)になっています。
数値の見方
モンベルは、レインウェアに求められる耐水圧として20,000mm以上を基準にしていると説明しています。透湿性は、JIS L-1099B-1法による参考値(g/m²・24hrs)で示されています。
| モデル(モンベル・Men's) | 素材 | 平均重量 | 透湿性 | 耐水圧 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| レイントレッカー ジャケット | GORE-TEX 3レイヤー(表地50デニール) | 301g | 20,000 | 20,000mm以上 | 29,200円 |
| ストームクルーザー ジャケット | スーパー ドライテック 3レイヤー(表地30デニール) | 254g | 40,000 | 20,000mm以上 | 公式記載なし |
同じ「3レイヤー」でも、表地の厚さや素材で、重さ・耐久性・透湿性は変わります。数値は、メーカーの試験条件での参考値です。
選び方のポイント
- 山の種類で決める: 日帰りの低山なら、軽くてコンパクトなタイプが選択肢になります。岩場や藪に擦れる山、悪天候が予想される山では、丈夫さを重視します。
- 重さと収納サイズを確認する: 登山中はザックにしまうことが多いため、収納サイズも確認します。
- フード、袖口、裾: 風雨の中で調整しやすいか、ヘルメットや帽子の上からかぶれるかを見ます。
- ポケットとジッパー: ザックのハーネスやヒップベルトと干渉しない位置にあるか、雨が入りにくい構造かを見ます。
- 上下を揃える: モンベルのように、上下別売りで組み合わせを選べるメーカーもあります。上下セットでそろえましょう。
- 試着する: 中に着込んだ状態で動いて、フードの調整や袖の長さを確認します。
着るタイミングとケア
- 早めに着る: 雨が降りそうなときは、稜線に出る前に着ます。濡れてから着るのでは遅く、濡れた状態で風にあたると体温が奪われます。
- 汗で濡らさない: 着たらペースを少し落とし、ベンチレーションなどで蒸れを調整します。
- ケア: GORE-TEX公式は、水が表面で球状にならなくなったら、洗濯した後に乾燥機やアイロンで熱を加えて撥水(DWR)を回復させるよう案内しています。回復しない場合は撥水剤を使います。製品ごとの洗濯表示に従ってください。
登山用レインウェアの製品一覧(用途別)
【PR】この一覧にはアフィリエイト広告(楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングへのリンク)が含まれます。 価格・重量・素材などの仕様は、掲載時の目安です。モデルチェンジや販売終了、価格改定で変わるため、最新の価格・仕様は必ずリンク先の販売ページで確認してください。 公式情報で確認できたモンベルの数値は、上の表のとおりです。
よくある質問
100円ショップのレインコートやポンチョで登山できますか
低体温症を防ぐには、濡れと風を防ぎ続けられるレインウェアが必要です。ポンチョは風にあおられやすく、行動のじゃまになることがあります。低山の軽いハイキング以外では、上下セパレートの登山用レインウェアをおすすめします。
傘で代用できますか
稜線や急な登り、岩場では、両手が使えなくなり危険です。レインウェアを着て、両手を空けて歩いてください。
レインパンツも必要ですか
必要です。下半身が濡れると体温を奪われやすくなります。上下セパレートのレインウェアを用意してください。
まとめ
- レインウェアは、濡れと風から体温を守る装備です。夏山でも低体温症は起こります。
- 素材の種類は、用途で選びます。GORE-TEXでも、Pro・Active・Pacliteで特徴が異なります。
- 耐水圧・透湿性の数値は、メーカーの試験条件による参考値です。
- 雨が降りそうなら、早めに着ます。
参考リンク
- GORE-TEX PRO プロダクト
- GORE-TEX active プロダクト
- 次世代GORE-TEX プロダクト
- モンベル レイントレッカー ジャケット Men's
- モンベル ストームクルーザー ジャケット Men's
- 北海道 夏山登山における山岳遭難事故に注意
- 山と溪谷オンライン 夏山診療所からの提言 低体温症の診療事例と対策
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最終更新: 2026年10月12日 23:42
執筆・確認
山日記編集部
実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。