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荒島岳 登山ガイド|関西から最も近い百名山・カドハラコースと紅葉のブナ林を解説

写真:Alpsdake, Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

·⛰ 荒島岳 (1,523m)·福井県·難易度: 初中級·⏱ 約6〜7時間(勝原コース往復)

荒島岳 登山ガイド|関西から最も近い百名山・カドハラコースと紅葉のブナ林を解説

福井県唯一の日本百名山・荒島岳(1,523m)の日帰り登山ガイド。勝原(カドハラ)コースと中出コースのコースタイム、核心部「もちがかべ」の登り方・下り方、白山の大展望と秋のブナ林、関西からの車・電車アクセス、服装と注意点をまとめました。

目次

  1. はじめに
  2. 荒島岳の基本情報
  3. 荒島岳の魅力
  4. 関西から日帰りしやすい百名山
  5. 山頂からの白山の大展望
  6. 秋のブナ林
  7. 「もちがかべ」が程よいアクセント
  8. コース紹介
  9. 1. 勝原(カドハラ)コース(定番・関西からの日帰り向き)
  10. 2. 中出コース(なだらかで静かなコース)
  11. 小荒島岳への寄り道
  12. もちがかべの攻略
  13. アクセス
  14. 車の場合(おすすめ)
  15. 電車の場合
  16. 関西からの日帰りスケジュール例(車・勝原コース)
  17. 服装
  18. 持ち物
  19. トイレ
  20. 下山後の立ち寄りスポット
  21. 初心者が気をつけたいポイント
  22. もちがかべは「下り」こそ慎重に
  23. 旧ゲレンデ区間は暑さと下りに注意
  24. 天気が変わりやすい
  25. 残雪期は装備を見直す
  26. 電車利用なら帰りの列車から逆算する
  27. 荒島岳はどんな人に向いている?
  28. まとめ
  29. 参考リンク
  30. 関連記事

はじめに

荒島岳(あらしまだけ)は、福井県大野市にある標高1,523mの山です。福井県で唯一の日本百名山で、大野盆地から端正な三角形に見えることから「越前富士」「大野富士」とも呼ばれ、古くから地元で親しまれてきました。

山頂からは白山が真正面に大きく見える大展望が広がり、秋には黄金色に色づくブナの原生林が登山道を包みます。大阪や京都から車で2時間半前後と、関西から日帰りしやすい百名山のひとつで、JR越美北線を使えば電車でも登山口に立てます。

この記事では、関西から荒島岳を日帰りで歩く人に向けて、勝原(かどはら)コースと中出コースの違い、核心部「もちがかべ」の通過のコツ、アクセス、服装、注意点をまとめます。コースタイムや交通は大野市の公式情報をもとにしていますが、出発前には必ず最新情報を確認してください。

荒島岳の基本情報

項目 内容
標高 1,523m
所在地 福井県大野市
山域 両白山地
カテゴリ 日本百名山(福井県唯一)
難易度目安 初中級(もちがかべの急登・鎖場あり)
コースタイム 勝原コース:登り約3時間30分・下り約2時間30分(大野市公式)
歩行距離・標高差 往復約9km、標高差約1,200m
主な登山口 勝原(カドハラ)登山口(旧カドハラスキー場跡)、中出登山口
トイレ 勝原登山口・中出登山口(公衆トイレ)
山小屋・売店 なし(日帰り前提)

「カドハラ」と「勝原」は同じ場所です。勝原は「かどはら」と読み、スキー場跡の名前としてカタカナの「カドハラ」も使われています。

荒島岳の魅力

関西から日帰りしやすい百名山

大阪・京都を起点にすると、荒島岳は最短クラスで登山口に着ける百名山です。北陸道から中部縦貫自動車道を使えば、大阪から約2時間30分〜3時間、京都から約2時間〜2時間30分が目安です。「百名山に挑戦したいけれど、遠征は難しい」という関西の登山者が、最初の一座に選びやすい山です。

山頂からの白山の大展望

山頂からは、遮るもののない白山(2,702m)の姿が目の前に広がります。晴れた日には別山・能郷白山など両白山地の峰々、さらに御嶽山や北アルプスまで見渡せることもあります。眼下には大野盆地の田園と城下町が広がり、山と里がひとつになった越前らしい景色を楽しめます。

秋のブナ林

中腹から山頂直下まではブナの原生林が続きます。新緑の5月下旬〜6月も美しいですが、10月中旬〜下旬の紅葉は特に見事で、黄金色のブナの下を歩く時間は荒島岳ならではです。紅葉の時期は週末を中心に登山者が増えます。

「もちがかべ」が程よいアクセント

山頂の手前には「もちがかべ」と呼ばれる滑りやすい急斜面があり、鎖やはしごが続きます。距離は長くありませんが、ここを越えると斜面がゆるやかになり、笹原の先に広い山頂が現れます。難しすぎず、達成感がしっかり得られるのが荒島岳の人気の理由です。

荒島岳の山頂
荒島岳の山頂。写真:Alpsdake, Wikimedia Commons(CC0)
荒島岳山頂の荒島神社
荒島岳山頂にある荒島神社。写真:Alpsdake, Wikimedia Commons(CC0)
荒島岳から見た白山
荒島岳から望む白山。写真:Alpsdake, Wikimedia Commons(CC0)

コース紹介

1. 勝原(カドハラ)コース(定番・関西からの日帰り向き)

勝原登山口(旧カドハラスキー場跡)→ 旧ゲレンデの急斜面 → ブナ林の尾根 → シャクナゲ平 → もちがかべ → 荒島岳山頂 → 往路を下山

ポイント 標高 前ポイントからの目安(登り)
勝原登山口(駐車場) 約350m スタート
旧ゲレンデ上部(樹林帯の入口) 約650m 約40分
シャクナゲ平(中出コース合流) 約1,204m 約1時間50分
荒島岳山頂 1,523m 約1時間(もちがかべを含む)
  • 登り合計:約3時間30分
  • 下り合計:約2時間30分
  • 歩行距離:往復約9km
  • 標高差:約1,200m

時間は大野市公式のコースタイムをもとにした目安で、休憩は含みません。

コースの流れ

歩き始めは、かつてのゲレンデの急斜面を登ります。日差しを遮るものがなく、特に夏は暑くなりやすい区間です。斜面を登り切るとブナ林の尾根に入り、木組みの階段が続く静かな登りになります。

視界が開けるとシャクナゲ平です。中出コースとの合流点で、休憩に向いた場所です。初夏にはシャクナゲが咲きます。ここから先が核心部の「もちがかべ」で、鎖やはしごを使いながら急斜面を登ります。登り切ると傾斜がゆるみ、ダケカンバや笹原を抜けて、荒島神社の祠がある広い山頂に着きます。

2. 中出コース(なだらかで静かなコース)

中出登山口 → ブナ林の尾根 → 小荒島岳分岐 → シャクナゲ平 → もちがかべ → 荒島岳山頂 → 往路を下山

  • 登り:約3時間40分、下り:約2時間40分(大野市公式)
  • 向いている人:静かな山歩きを楽しみたい人、紅葉の林をゆっくり歩きたい人
  • 特徴:勝原コースより傾斜がなだらかで歩きやすい

大野市蕨生(わらびょう)の中出集落から登るコースで、駐車場とトイレがあります。勝原コースのような急なゲレンデ登りがないぶん距離はやや長くなりますが、ブナ林の尾根を落ち着いて歩けます。シャクナゲ平で勝原コースと合流し、そこから先は同じ道です。

勝原コースで登って中出コースで下る周回もできますが、登山口どうしが離れているため、車2台かタクシーの手配が必要です。

小荒島岳への寄り道

中出コースの途中から、小荒島岳(こあらしまだけ・1,186m)の山頂に立ち寄れます。荒島岳本峰を正面から眺められる展望地で、「越前富士」らしい山容を写真に収めたい人におすすめです。勝原コースで往復する場合も、シャクナゲ平から少し中出コース側へ下れば分岐まで行けますが、そのぶん登り返しが増えるので、時間と体力に余裕があるときにしましょう。

もちがかべの攻略

「もちがかべ(餅ヶ壁)」は、シャクナゲ平から山頂へ向かう途中の急斜面の呼び名です。岩と土が混じった滑りやすい登りに、鎖やはしごが続きます。落ち着いて三点支持(両手両足のうち3点で体を支える)を守れば、初中級者でも通過できます。

  • 登り:鎖は体を支える補助として使い、体重をかけすぎないようにします。足場を目で確かめながら、一歩ずつ高度を上げましょう。
  • 下り:実はこちらが核心です。足元が見えにくく、滑りやすさも増します。体を斜面側に向け、鎖をしっかり握って後ろ向きにゆっくり下りるのが安全です。
  • ストック:もちがかべの手前でザックにしまい、両手を自由にしておきます。
  • 雨のあと:濡れた岩やぬかるんだ土は非常に滑りやすくなります。悪天候の日は無理に登らない判断も大切です。

薄手のグローブがあると、鎖を握るときに手を守れて安心です。

アクセス

車の場合(おすすめ)

出発地 ルートの例 所要時間の目安
大阪市内 名神→北陸道→福井北JCT→中部縦貫道→大野IC→国道158号 約2時間30分〜3時間
京都市内 名神→北陸道→福井北JCT→中部縦貫道→大野IC→国道158号 約2時間〜2時間30分
神戸市内 阪神高速→名神→北陸道→中部縦貫道→大野IC 約2時間45分〜3時間15分
  • 中部縦貫道の大野ICから勝原登山口までは約13km、約20分です。北陸道の福井ICから一般道で向かう場合は約1時間10分(大野市公式)です。
  • 勝原登山口の駐車場は旧スキー場跡の無料駐車場(約30台)です。紅葉シーズンの週末は早朝に満車になることがあるため、6〜7時ごろの到着を目安にしてください。満車のときは、JR勝原駅の隣にある五箇公民館の駐車場を使うよう大野市が案内しています。
  • 周辺道路への路上駐車は、地元の方の迷惑になるので絶対にやめましょう。

渋滞や工事、天候で時間は変わります。帰りは大野市内で入浴や食事をしてから出ると、夕方の渋滞を避けやすくなります。

電車の場合

荒島岳は、電車でも登山口まで行ける数少ない百名山です。

区間 手段 所要時間の目安
大阪→敦賀→福井 特急サンダーバード+北陸新幹線 約1時間40分
福井→勝原 JR越美北線(九頭竜線) 約1時間
勝原駅→登山口 徒歩 約10分
  • 越美北線は1日数本しか走っていません。帰りの列車を逃すと次まで数時間待つこともあるので、列車の時刻から逆算して計画を立ててください。
  • 勝原駅は無人駅で、売店はありません。
  • 時刻はJR西日本の公式サイト(おでかけネット)で確認できます。

運転の疲れがなく、駐車場の混雑も気にしなくてよいのが電車の良さです。ただし計画の自由度は低いので、初めてなら車のほうが安心です。

関西からの日帰りスケジュール例(車・勝原コース)

時刻 行動
4:30 大阪・京都を出発
7:00〜7:30 勝原登山口着・準備
7:30 登山開始
9:30〜10:00 シャクナゲ平で休憩
11:00ごろ 荒島岳山頂(展望・昼食)
12:00 下山開始
14:30ごろ 下山完了
15:00〜16:30 大野市内で入浴・食事
18:30〜19:30 大阪・京都着
カドハラコースの駐車場
荒島岳カドハラコースの駐車場。写真:Alpsdake, Wikimedia Commons(CC0)

服装

荒島岳は1,500m級の山で、山頂は平地より7〜8℃ほど低くなります。春・秋は防寒対策が欠かせず、夏でも風の強い日の山頂は肌寒く感じます。

  • ベースレイヤー:速乾性インナーの長袖(夏は半袖でも可)
  • ミドルレイヤー:フリースまたは薄手ダウン(春・秋・山頂での休憩用)
  • アウター:レインウェア(必携。防風にも使えます)
  • ボトムス:ストレッチ素材の登山パンツ
  • 靴:グリップのよいミドルカット以上の登山靴(もちがかべ対策)
  • グローブ:鎖場で手を守る薄手のもの
  • 帽子・日焼け止め:旧ゲレンデ区間は日差しが強い

11月下旬〜4月ごろは積雪・凍結があります。荒島岳は雪の多い山で、残雪期はアイゼンやピッケルが必要になることもあります。雪の時期は雪山経験者向けの山と考えてください。

持ち物

山中に売店や水場はありません。水と食料は出発前にすべて準備しておきましょう。

トイレ

  • 勝原登山口:公衆トイレあり
  • 中出登山口:公衆トイレあり
  • 山中・山頂:トイレなし

登山口のトイレは冬期に閉鎖されることがあります(2026年は4月7日に再開)。登山口で必ず済ませてから出発しましょう。

下山後の立ち寄りスポット

  • 越前大野城:「天空の城」として知られる城です。秋〜冬の冷え込んだ早朝に雲海が出ると、城が雲の上に浮かんで見えることがあります。
  • 大野の城下町と湧き水:大野市は湧き水の町として知られ、市内のあちこちに清水が湧いています。名物のおろしそばは下山後の食事にぴったりです。
  • 道の駅:大野IC近くの「越前おおの 荒島の郷」や、国道158号沿いの「九頭竜」は帰りの休憩に便利です。
  • 日帰り温泉:大野市内や九頭竜方面に日帰り入浴できる施設があります。営業日と時間は事前に確認してください。

初心者が気をつけたいポイント

もちがかべは「下り」こそ慎重に

事故が起きやすいのは登りより下りです。急がず、体を斜面側に向けて一歩ずつ下りてください。雨のあとは特に注意が必要です。

旧ゲレンデ区間は暑さと下りに注意

勝原コースの序盤は日陰がなく、夏は直射日光にさらされます。帽子と水分補給を忘れずに。下りでは急斜面が膝に響くので、ストックを使って小さな歩幅で下りましょう。

天気が変わりやすい

荒島岳は日本海側の気候の影響を受けやすく、天気が変わりやすい山です。午後から雷雨になることもあるので、早出・早帰りを基本にしてください。

残雪期は装備を見直す

4〜5月でも山頂付近に雪が残ることがあります。出発前に最新の残雪情報を確認し、必要ならアイゼンを持っていきましょう。

電車利用なら帰りの列車から逆算する

越美北線は本数がとても少ない路線です。下山が遅れても間に合うよう、余裕のある計画にしてください。

荒島岳はどんな人に向いている?

  • 関西に住んでいて、百名山に初めて挑戦したい人
  • 白山の大展望を間近で見たい人
  • 秋のブナ林の紅葉を楽しみたい人
  • 鎖場を少し経験してみたい初中級者
  • 電車で行ける百名山を探している人
  • 大野の城下町や食と組み合わせて一日を楽しみたい人

一方で、岩場や急斜面にまったく慣れていない人は、もちがかべで怖さを感じることがあります。まずは近場の低山で何度か歩いてから挑戦すると安心です。

まとめ

荒島岳は、福井県唯一の百名山、白山の大展望、秋のブナ林、ちょうどよい手応えのもちがかべがそろった、関西から日帰りしやすい百名山です。初めてなら、駐車場とトイレがあり公共交通でも行ける勝原(カドハラ)コースの往復が基本になります。

車なら大阪・京都を早朝に出れば、余裕を持って日帰りできます。下山後は越前大野の城下町や湧き水、おろしそばも楽しんで、山と町の両方を味わう一日にしてみてください。


参考リンク

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最終更新: 2026年10月19日 07:20

執筆・確認

山日記編集部

実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。

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