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シャリバテとは?登山中のエネルギー切れを防ぐ食事・行動食のポイント

写真:ImGz, Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

シャリバテとは?登山中のエネルギー切れを防ぐ食事・行動食のポイント

目次

  1. シャリバテとは
  2. シャリバテの症状
  3. なぜシャリバテが起こるのか
  4. 登山は想像以上にカロリーを消費する
  5. よくある原因
  6. シャリバテの予防法
  7. 1. 登山前にしっかり朝食を食べる
  8. 2. 1〜1.5時間ごとに行動食を摂る
  9. 3. 行動食を十分に持参する
  10. 4. 水分と一緒に糖分を補給する
  11. おすすめの行動食
  12. ⚡ 即効性が高い(すぐにエネルギーになる)
  13. 🏔️ 持続的なエネルギー補給(腹持ちが良い)
  14. 💧 スポーツドリンク補助
  15. 行動食選びのポイント
  16. シャリバテになってしまったら
  17. ① まず休んで食べる
  18. ② 15〜20分待つ
  19. ③ 症状が改善したら、ゆっくり歩き再開
  20. ④ 症状が改善しない場合は下山を検討
  21. シャリバテと高山病の違い
  22. まとめ
  23. 関連記事

シャリバテとは

シャリバテとは、登山中に食事(エネルギー)が不足することで起こる、極度のエネルギー切れ状態のことです。

「シャリ」は登山用語で食事・ご飯のことを指し、「バテ」は疲れ果てることを意味します。医学的には低血糖状態に近く、筋肉や脳へのエネルギー(糖分)供給が不足することで様々な不調が起きます。

自転車競技の「ハンガーノック」と同じ状態で、突然やってくる強烈な症状が特徴です。

行動時間が長い登山でエネルギー管理の大切さをイメージしやすい景色

シャリバテの症状

シャリバテになると、以下のような症状が現れます。

症状 説明
強烈な疲労感 急に足が重くなり、一歩一歩がつらくなる
めまい・ふらつき 頭がくらくらし、バランスが取りにくくなる
集中力・判断力の低下 ルート判断が鈍くなり、地図が読めなくなる
手足の震え 筋肉へのエネルギー不足で細かい震えが出る
強い空腹感・吐き気 胃が締め付けられるような空腹感が来る
頭痛 脳のエネルギー不足による頭痛

特に危険なのは「判断力の低下」です。自分でもシャリバテに気づけなくなり、誤ったルート選択や転倒のリスクが高まります。

なぜシャリバテが起こるのか

登山は想像以上にカロリーを消費する

登山は平地のウォーキングと比べて2〜3倍以上のエネルギーを消費します。体重60kgの人が6時間の山行をした場合、消費カロリーは1,500〜2,500kcalに達することも珍しくありません。

よくある原因

  • 朝食を食べずに登り始める
  • 「山頂まで我慢しよう」と食事を後回しにする
  • 水分だけ補給して食事を忘れる
  • コースタイムを読み違えて行動食が尽きる
  • 寒さや高山の体調変化で食欲がなく食べられない

人は空腹を感じてから食べても遅く、血糖値が回復するまでに時間がかかります。つまり、空腹になる前に食べることがシャリバテ予防の鉄則です。

シャリバテの予防法

急な登りではこまめな補給が大切だと伝わる登山道の写真

1. 登山前にしっかり朝食を食べる

出発の1〜2時間前に、炭水化物を中心とした朝食を摂りましょう。おにぎり・パン・うどんなど消化の良いものがおすすめです。

2. 1〜1.5時間ごとに行動食を摂る

空腹を感じる前に、定期的に少量ずつ食べることが重要です。休憩のタイミングで必ず何か口に入れる習慣をつけましょう。

3. 行動食を十分に持参する

コースタイムより多めの行動食を持参してください。予定の1.5〜2倍が目安です。天候悪化や道迷いで行動時間が延びることも想定しておきましょう。

4. 水分と一緒に糖分を補給する

水だけでなく、スポーツドリンクや甘い飲み物を合わせると吸収が早くなります。特に夏山では発汗による塩分・糖分の喪失も大きいため、経口補水液なども有効です。

おすすめの行動食

行動食は「すぐに食べられる」「カロリーが高い」「携行しやすい」ものを選びましょう。

⚡ 即効性が高い(すぐにエネルギーになる)

食品 特徴
飴・グミ・ラムネ 手軽に糖分補給できる。ポケットに入れておくと便利
スポーツようかん 片手で食べられ、エネルギー補給に特化した定番品
バナナ 糖質・カリウムを一緒に補給できる
ゼリー飲料 嚥下しやすく、疲れていても飲みやすい

① 井村屋 スポーツようかん あずき(40g×10本)

登山行動食の定番中の定番。片手で押し出せるチューブ型で、パラチノース(持続性糖)配合により即効+持続のダブル効果。116kcal/本。

② 森永製菓 inゼリー エネルギー マスカット味(180g×18個)

「10秒チャージ」でおなじみのゼリー飲料。疲れていても飲みやすく、180kcal/袋でおにぎり1個分のエネルギー。ビタミンC配合。

③ HARIBO ゴールドベア ミニ(大容量・個包装)

手軽な糖分補給グミ。個包装で山でシェアしやすく、溶けない・割れない。グローブをしたまま食べられる。

④ メダリスト エナジージェル(8個セット)

トレイルランナーに人気のエナジージェル。こんにゃくゼリー食感で飲みやすく、クエン酸配合で疲労回復にも。105〜107kcal/袋。

🏔️ 持続的なエネルギー補給(腹持ちが良い)

食品 特徴
おにぎり 定番中の定番。炭水化物と塩分を同時補給
カロリーメイト 軽量・コンパクトで栄養バランスが良い
ナッツ類 良質な脂質と持続エネルギー。小袋に分けると食べやすい
チョコレート 高カロリーで持ち運びやすいが、溶けやすいので注意
クッキー・ビスケット 軽くて日持ちが良く、ザックのどこにでも入る

⑤ 大塚製薬 カロリーメイト ブロック チョコレート味(4本入り×10個セット)

11種ビタミン+5種ミネラル入りのバランス栄養食。軽量・コンパクトで日持ち抜群。登山の定番行動食。

⑥ 無添加 3種ミックスナッツ(850g)

アーモンド・カシューナッツ・くるみの無添加ミックス。良質な脂質で持続エネルギー補給。出発前に小袋に分けて持参するのがおすすめ。

⑦ CLIF BAR クリフバー スナックサイズ(ホワイトチョコマカデミアナッツ味)

全米No.1エナジーバー。オーツ麦・ナッツ・フルーツ使用で250kcal前後。腹持ち◎、溶けにくく夏山にも適している。

💧 スポーツドリンク補助

水だけでなく塩分・糖分を一緒に補給できるスポーツドリンクは、シャリバテ予防に特に有効です。粉末タイプなら荷物を最小限に抑えられます。

⑧ ポカリスエット イオンウォーター パウダー スティック(180ml用×8本)

粉末タイプで超軽量。水に溶かすだけでスポーツドリンクに。塩分・糖分の同時補給でシャリバテ・熱中症予防に最適。

行動食選びのポイント

  • 溶けない・壊れない:夏山ではチョコレートは溶けやすい
  • 手が汚れない:グローブをしたまま食べられるものが便利
  • 好みのもの:疲れていても食べたくなる食べ物を選ぶ
  • 1個がこぶり:少量ずつこまめに食べられるサイズが理想

シャリバテになってしまったら

安全な場所で休憩を入れる判断をイメージしやすいひらけた場所の写真

万が一シャリバテの症状が出た場合は、すぐに以下の対応をしてください。

① まず休んで食べる

安全な場所でザックを下ろし、すぐに食事・行動食を摂ります。ゼリー飲料・ラムネ・飴など即効性の高い糖分から摂るのが効果的です。

② 15〜20分待つ

食べてもすぐには回復しません。血糖値が上がるまで15〜20分は休んでください。焦って動き出すと逆効果です。

③ 症状が改善したら、ゆっくり歩き再開

回復後も急に元の速度には戻さず、無理のないペースで歩きましょう。

④ 症状が改善しない場合は下山を検討

十分に食べて休んでも症状が続く場合は、高山病や熱中症など別の原因も疑われます。無理をせず下山を検討してください。

シャリバテと高山病の違い

似た症状が出るため混同しやすいですが、原因と対処法が異なります。

項目 シャリバテ 高山病
主な原因 エネルギー(糖分)不足 高所による酸素不足
主な症状 疲労感・ふらつき・震え 頭痛・吐き気・倦怠感
発症しやすい高度 どの標高でも起こりうる 主に2,000m以上
対処法 食事・休憩で回復 下山・酸素吸入
食事で改善するか する しない

食事を摂って改善すればシャリバテ、改善しなければ高山病の可能性が高いと覚えておきましょう。

まとめ

  • シャリバテはエネルギー不足による低血糖状態で、登山中に誰にでも起こりうる
  • 症状は強烈な疲労・めまい・判断力低下など、放置すると遭難リスクに直結
  • 空腹になる前に、1〜1.5時間ごとに行動食を摂ることが最大の予防策
  • 行動食は予定の1.5〜2倍を持参し、即効性のある糖分も必ず用意する
  • なってしまったらすぐに休んで食べ、15〜20分待つ

楽しい登山のために、食事管理を山行計画の一部として取り入れてみてください。


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