
写真:京浜にけ, Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)/日和田山・金刀比羅神社の鳥居越しに見る巾着田
日和田山 登山ガイド|男坂・女坂の違い、高麗駅からの所要時間、駐車場とトイレ、物見山・五常の滝への縦走
埼玉県日高市の日和田山(305m)の登山ガイド。高麗駅から登山口まで徒歩約25分、男坂(岩場・約15分)と女坂(緩やか・約20分)の違い、二の鳥居から巾着田を見下ろす展望、物見山・五常の滝を経て武蔵横手駅へ歩く9.4kmの縦走、巾着田駐車場の料金、トイレの場所、晩秋〜冬の日没とクマ情報まで、日高市・西武鉄道などの公式情報で整理します。
目次
日和田山(ひわださん)は、埼玉県日高市のシンボルとして親しまれている標高305mの山です。西武池袋線の高麗(こま)駅から歩いて登山口へ行け、中腹の二の鳥居(金刀比羅神社)からは、高麗川が大きく曲がってできた巾着田と日高の町並みを見下ろせます。日高市は、天気のよい日には東京スカイツリーも見えると案内しています。
先に、計画に関わる要点をまとめます。
- 高麗駅 → 日和田山登山口は徒歩約25分。登山口の先の一の鳥居で、岩場の男坂(二の鳥居まで約15分)と緩やかな女坂(約20分)に分かれます
- 日高市は男坂を「手を使って登らなければならない急傾斜の場所がある」とし、特に下りは女坂を推奨しています
- 物見山(375.3m)・五常の滝を通って武蔵横手駅へ歩くと、西武鉄道のハイキングマップで総歩行距離9.4km・標準歩行時間3時間25分です
- 五常の滝は私有地の有料施設で、開門9:00〜14:30、毎週月・火・水曜と年末年始は休山(祝日は開山)。入山料は大人200円です
- 2026年の巾着田曼珠沙華まつりは10月6日で終わり、群生地はいま花のあとの葉が伸びる時期です。10月以降は日没が早くなるので、縦走は朝のうちに歩き出しましょう
出典:日和田山(日高市)、西武鉄道で行くハイキングコース「滝とのどかな高麗の山里への道」、五常の滝 料金・開門時間

歩き方は3通り。体力と時間で選ぶ
日和田山は、山だけを往復するか、巾着田の散策を組み合わせるか、物見山まで延ばすかで、一日の長さが大きく変わります。
| 歩き方 | 道順 | 距離・時間の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 日和田山だけ往復 | 高麗駅 → 登山口 → 男坂または女坂 → 二の鳥居 → 山頂 → 女坂で下山 → 高麗駅 | 片道約1.9km。往復で歩行2時間前後 | 登山デビュー、子ども連れ、午前中だけ歩きたい人 |
| 日和田山+巾着田 | 上の往復に、下山後の巾着田(高麗川に囲まれた直径約500mの平地)の散策を足す | 往復に散策ぶんの1時間ほどを足す | 花や川辺の景色も楽しみたい人 |
| 物見山・五常の滝の縦走 | 高麗駅 → 日和田山 → 高指山 → 駒高 → 物見山 → 北向地蔵 → 五常の滝 → 武蔵横手駅 | 9.4km・標準歩行時間3時間25分 | 半日しっかり歩きたい人 |
往復の時間は、西武鉄道のマップの区間時間(日和田山 → 高麗本郷 → 高麗駅の下りで計45分)に、登りの余裕を足した目安です。巾着田の大きさは日高市の案内(直径約500m・面積約22ha)によります。
男坂と女坂の違い
一の鳥居で道が分かれ、どちらも二の鳥居(金刀比羅神社)で合流します。日高市の案内をもとに比べると、次のとおりです。
| 男坂 | 女坂 | |
|---|---|---|
| 二の鳥居までの時間 | 約15分 | 約20分 |
| 道の様子 | ゴツゴツした岩場。場所によっては手を使って登る急傾斜 | 緩やかな傾斜の山道。手すりが設置されている区間がある |
| 日高市のすすめ | 「各自判断してルートを選択」 | 初心者や体力に自信のない人向け。特に下りは女坂を推奨 |
| 向いている使い方 | 乾いた日の登りだけ | 登り・下りとも。雨のあと、子ども連れ、混雑時 |
男坂は短いぶん、岩に手をかける場面が続きます。濡れた日や、前後に人が詰まっている時間帯は、無理に男坂を選ばなくても二の鳥居からの展望は同じように楽しめます。女坂の手すりは、日高市の「遠足の聖地」事業の整備一覧に載っています。
なお、男坂の近くにある男岩・女岩などでのロッククライミングは禁止です。日高市は死亡事故が起きていることを挙げて「絶対に登らないでください」と呼びかけていて、埼玉県警察の山岳情報にも掲載されています。
高麗駅から二の鳥居・山頂まで

高麗駅を出たら、巾着田・日和田山方面の案内に沿って住宅地の中を歩き、国道を渡って高麗本郷の集落へ入ります。日高市の案内では、高麗駅から日和田山登山口までは徒歩約25分です。
登山口から樹林の道を少し登ると一の鳥居で、ここが男坂・女坂の分岐です。どちらかで二の鳥居まで上がると、目の前が開けて巾着田と日高の町並みが広がります。日高市のガイドマップでも、山頂より「特におすすめ」とされているのが、この二の鳥居付近からの眺めです。天気がよい日は新宿の高層ビル群や東京スカイツリーまで見えると案内されています。

二の鳥居から岩まじりの道を登れば山頂です。山頂には宝篋印塔(ほうきょういんとう)があり、木々の間から日高市一帯を見渡せます。ここで引き返すか、物見山へ進むかを決めます。下りは、日高市のすすめどおり女坂を使いましょう。
物見山・五常の滝へ延ばす縦走
山頂から西へ尾根をたどると、高指山・駒高を経て物見山へ続きます。西武鉄道のハイキングコース「滝とのどかな高麗の山里への道」は、この道を武蔵横手駅から高麗駅へ向かう向きで紹介しています。マップの区間距離と標準時間は次のとおりです。
| 区間(西武鉄道マップの向き) | 距離 | 標準時間 | 道のメモ |
|---|---|---|---|
| 武蔵横手駅 → 五常の滝 | 2.1km | 30分 | 舗装道から車両通行止めの道へ |
| 五常の滝 → 土山 | 1.2km | 30分 | 杉木立の道を登る |
| 土山 → 北向地蔵 | 0.8km | 20分 | 尾根へ上がる |
| 北向地蔵 → 物見山 | 1.6km | 40分 | 杉やヒノキの林立する、歩きやすい平坦な道 |
| 物見山 → 駒高 | 0.5km | 15分 | 集落へ下る |
| 駒高 → 高指山 | 0.6km | 10分 | 駒高にトイレと東屋 |
| 高指山 → 日和田山 | 0.7km | 15分 | 中継所(閉鎖)へは向かわず右の登山道へ。下り坂が続き滑りやすい |
| 日和田山 → 高麗本郷 | 1.0km | 30分 | 金刀比羅神社を経て下る |
| 高麗本郷 → 高麗駅 | 0.9km | 15分 | 集落の中を駅へ |
| 合計 | 9.4km | 3時間25分 | 標高差は200〜300m、アップダウンあり(初心者レベル) |
この記事の図と同じく高麗駅から歩き始める場合は、表を下から上へたどる形になります。距離は同じですが、日和田山への登り、駒高から物見山への登り返し、五常の滝から武蔵横手駅への長い下りというように、登り下りの場所が入れ替わります。標準時間は表より長めに見ておきましょう。

縦走で押さえておきたい点は3つです。
- 駒高は数少ない休憩・トイレの場所:のどかな山村の集落で、西武鉄道は条件がよければ山並みの向こうに富士山が見えると紹介しています
- 北向地蔵は分岐点:五常の滝・武蔵横手駅方面と、東吾野駅方面に分かれます。五常の滝の休山日や開門時間に合わないときは、東吾野駅へ下る道もあります
- 五常の滝のルールは公式サイトで確認:一般財団法人五常の滝の案内では、開門9:00〜14:30、休山日は毎週月・火・水曜と年末年始、雨・雪・台風などの悪天候時も休山、祝日は開山です。入山料は大人(高校生以上)200円・小人(小学生以上)100円。滝にトイレはありません。西武鉄道のページには「休山日は月・火曜」と古い表記が残っているので、五常の滝の公式サイトを優先してください
高麗駅から歩く向きでは、物見山を過ぎて五常の滝に着くのは西武鉄道の標準時間を逆にたどっても歩き始めから3時間近くあとになり、休憩を入れればさらに延びます。14時30分の閉門に間に合わせるには、遅くとも10時ごろには高麗駅を出たいところです。
10月中旬〜冬の日和田山

曼珠沙華のあとの巾着田
2026年の巾着田曼珠沙華まつりは9月21日〜10月6日に開かれ、有料入場は9月30日で終わりました。巾着田管理事務所の開花速報は10月7日に「終息しました」と最終更新しています。
日高市によると、曼珠沙華は花が終わった10月ごろから細い葉が伸び始め、冬枯れの群生地が緑一色に変わります。2月ごろに葉が枯れ、9月のお彼岸の時期に再び花が咲く、という一年です。赤いじゅうたんは来年までお預けですが、管理事務所はコスモスは10月上旬ごろから見られると案内しています。二の鳥居から見下ろす巾着田の色も、この時期ならではです。
日没が早い。下山の時刻から逆算する
国立天文台の暦計算室によると、さいたま市の日の入りは次のとおりです(日高市はこれより1〜2分遅い程度です)。
| 日付(2026年) | 日の入り(さいたま) |
|---|---|
| 10月16日 | 17:05 |
| 11月1日 | 16:46 |
| 11月15日 | 16:35 |
| 12月1日 | 16:28 |
低山でも樹林の中は日の入りより早く暗くなります。縦走は午前中に歩き出し、日和田山だけの往復でも14時台には下山を始めるくらいの計画にしましょう。晩秋の時間の組み立て方は「晩秋の登山は日没に注意」にまとめています。
落ち葉と霜、冬の澄んだ眺め
雑木林の多い尾根は、11月に入ると落ち葉が積もり、石や木の根が見えにくくなります。冬の朝は霜で滑りやすいこともあります。男坂の岩や、高指山から日和田山への下り坂(西武鉄道マップで「滑りやすい」と注意書きがある区間)は特に慎重に歩きましょう。歩き方のコツは「晩秋の落ち葉で登山道が見えにくくなる」で詳しく解説しています。
一方で、空気が澄む冬は遠くまで見渡しやすい季節です。標高が低いぶん朝の冷え込みからの回復も早く、静かに歩ける時期でもあります。
アクセス・駐車場・トイレ
電車
日高市の案内では、池袋駅から飯能駅まで約50分、飯能駅から高麗駅まで約10分です。高麗駅から日和田山登山口までは徒歩約25分。縦走のゴールの武蔵横手駅は西武秩父線の駅なので、帰りの時刻を西武鉄道の時刻表で先に調べておきましょう。
JR八高線・川越線の高麗川駅からは、国際興業バスで巾着田バス停まで約10分、そこから登山口まで徒歩約10分です(高麗川駅から登山口まで歩くと約55分)。
車・駐車場
| 駐車場 | 料金・時間 | メモ |
|---|---|---|
| 巾着田駐車場(日高市が案内) | 普通自動車500円・自動二輪車100円。利用は7:00〜17:00 | 年末年始(12月29日〜1月3日)は利用できない |
| 登山口周辺の民間駐車場 | 現地の表示に従う | 台数は少なめ。休日はすぐに埋まりやすい |
| 五常の滝の無料駐車場 | 10台(大型バス不可) | 五常の滝の入山者向け |
日高市は日和田山の車でのアクセスとして、圏央道の狭山日高IC・圏央鶴ヶ島IC、関越道の鶴ヶ島ICからの道順を案内し、駐車場は巾着田駐車場を利用できるとしています。縦走で武蔵横手駅に下りた場合は、電車で高麗駅へ戻って車を回収します。
トイレ
| 場所 | トイレ |
|---|---|
| 高麗駅 | あり |
| 巾着田 | あり(ドレミファ橋付近のログトイレなど) |
| 日和田山の登山道・山頂 | なし |
| 駒高 | あり(公衆トイレ・東屋) |
| 五常の滝 | なし(公式サイトは携帯トイレの持参をすすめている) |
| 武蔵横手駅 | あり |
低い山でも起きている事故と、野生動物
転倒が多い山。靴は靴底の硬いものを
埼玉県警察は日和田山について、「人気の低山ですが、山岳遭難が度々発生しています」とし、事故の多くは転倒や熱中症などの病気だと紹介しています。運動靴やスニーカーは靴底が柔らかく踏ん張りがきかず滑りやすいため、ソールの硬い登山靴が有効で、足首まであるハイカットなら捻挫の予防にもなる、としています。靴選びは「登山靴の選び方」を参考にしてください。
クマの目撃情報が出ている
日高市の「野生鳥獣にご注意ください」(令和8年6月11日更新)では、2026年6月7日に大字高麗本郷(物見山付近)でクマのような動物の目撃情報が載っています(クマの痕跡はなし)。2025年11月15日には、武蔵横手駅の南東100m付近で柿の木にクマと思われる痕跡が確認されています。市は、鈴やラジオなど音の出るものを持ち、早朝や夕暮れの薄暗い時間帯に注意するよう呼びかけています。
出発前に日高市の最新の目撃情報を確認し、熊鈴を持っていきましょう。歩く範囲が長い縦走ならクマよけスプレーも検討できます。11月15日からは狩猟期間にも入るので、「狩猟シーズン中の登山注意」もあわせて読んでおくと安心です。
服装と持ち物
日和田山は低山ですが、10月中旬以降は朝晩が冷え、二の鳥居や山頂の休憩中に汗が冷えます。重ね着を基本に、次のものを用意しましょう。
- 靴:靴底の硬い軽登山靴やトレッキングシューズ(埼玉県警察のすすめ)
- 上着:防風にもなるレインウェア、薄手のフリース
- 手:男坂の岩や落ち葉の斜面で手をつく場面に備えて、滑りにくい手袋(「晩秋の登山の手袋」)
- 水と行動食:山中に売店はほとんどないので、駅や麓で用意する(縦走なら1L程度)
- ヘッドライト:縦走で予定より遅れたときのために
- 小銭:五常の滝の入山料、駐車場の料金
- 携帯トイレ:五常の滝にトイレがないため、縦走なら1つ
- 地図アプリとモバイルバッテリー
持ち物の全体は「初心者向け日帰り登山の持ち物チェックリスト」で確認できます。
よくある質問
Q. 登山初心者や子ども連れでも登れますか?
A. 日高市は女坂を「山登り初心者や体力に自信のない人」向けとしていて、巾着田と日和田山を中心にした、ルビつきの「遠足ガイドマップ」も公開しています。初めてなら、女坂での往復がいちばん安心です。
Q. 男坂を下りに使ってもいいですか?
A. 日高市は「特に下りの際は女坂を推奨」としています。男坂は登りだけにしましょう。
Q. 物見山の山頂から景色は見えますか?
A. 物見山の山頂付近は樹林で、眺めよりもベンチで休む場所という性格です。眺めを楽しむなら、日和田山の二の鳥居が一番です。
Q. 日和田山だけでは物足りないときは?
A. 物見山・五常の滝への縦走のほか、同じ奥武蔵で少し標高の高い伊豆ヶ岳(851m)や棒ノ折山(969m)があります。紅葉の時期の行き先は「紅葉が綺麗な関東日帰り登山おすすめ15選」も参考にしてください。
参考リンク
- 日和田山(ひわださん)|日高市
- 500万本の曼珠沙華群生地・巾着田|日高市
- 巾着田曼珠沙華まつり(令和8年)|日高市
- 遠足の聖地ひだか(ガイドマップ)|日高市
- 野生鳥獣にご注意ください|日高市
- 開花速報|巾着田 公式ホームページ
- 秋の巾着田|巾着田 公式ホームページ
- 滝とのどかな高麗の山里への道|西武鉄道で行くハイキングコース
- 料金・開門時間|五常の滝
- 山岳情報|埼玉県警察
- 日の出入り(さいたま)2026年11月|国立天文台 暦計算室
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最終更新: 2026年10月16日 01:06
執筆・確認
山日記編集部
実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。