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黒部五郎岳 登山ガイド|折立・飛越トンネル・新穂高温泉コースと黒部五郎カール、黒部五郎小舎・太郎平小屋情報【2026年】

Yasu, Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)/黒部五郎カールから望む黒部五郎岳

·⛰ 黒部五郎岳 (2,840m)·富山県・岐阜県·難易度: 上級·⏱ 約16時間30分〜25時間12分(2泊3日〜3泊4日)

黒部五郎岳 登山ガイド|折立・飛越トンネル・新穂高温泉コースと黒部五郎カール、黒部五郎小舎・太郎平小屋情報【2026年】

北アルプス深部に位置する日本百名山・黒部五郎岳(標高2,840m)の登山ガイド。富山県・岐阜県山岳グレーディングに基づく折立・飛越トンネル・新穂高温泉からの4コース、氷河地形の黒部五郎カール、黒部五郎小舎・太郎平小屋・双六小屋の2026年営業情報と注意点を整理します。

目次

  1. 黒部五郎岳の概要
  2. ルート解説(富山県・岐阜県山岳グレーディング・日本百名山グレーディング)
  3. 1. 折立(太郎平・北ノ俣岳経由)往復コース
  4. 2. 飛越トンネル(飛越新道・北ノ俣岳経由)往復コース
  5. 3. 新穂高温泉(小池新道・双六岳・三俣蓮華岳経由)縦走・往復コース
  6. アクセスと登山口情報
  7. 1. 折立登山口(富山県側)
  8. 2. 新穂高温泉登山口・飛越トンネル登山口(岐阜県側)
  9. 山小屋・テント場情報(2026年シーズン)
  10. 1. 黒部五郎小舎(標高2,350m・黒部五郎岳と三俣蓮華岳の鞍部)
  11. 2. 太郎平小屋・薬師峠キャンプ場(太郎兵衛平・折立ルート)
  12. 3. 双六小屋(標高2,600m)
  13. 見どころ
  14. 1. 氷河地形「黒部五郎カール」と雷岩
  15. 2. 北アルプス最深部ならではの360度展望
  16. 注意点と安全登山のポイント
  17. 1. 長大なアプローチと山小屋の収容人数への配慮
  18. 2. カール内の残雪・増水と稜線の強風
  19. 3. 富山県・岐阜県における登山届の提出
  20. 参考リンク

黒部五郎岳の概要

黒部五郎岳(くろべごろうだけ・標高2,840m、三角点2,839.6m)は、富山県富山市と岐阜県高山市の県境に位置する北アルプス(飛騨山脈)の山で、「日本百名山」および「花の百名山」に選定されています。古名を「中ノ俣岳」ともいい、山頂の東面には氷河が削り取ったお椀状の巨大な圏谷「黒部五郎カール」が広がっています。

北アルプス最深部に位置するため、いずれの登山口(富山県側の折立、岐阜県側の飛越トンネル・新穂高温泉)からもアプローチが長く、山岳グレーディングでは体力度7〜10・技術的難易度B〜C(2〜3泊以上が適当)に区分されています。山頂と黒部五郎小舎の間は「稜線コース」と「カールコース」の2ルートに分かれており、高山植物と巨岩が点在するカール底を歩く周回・縦走が広く親しまれています。

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ルート解説(富山県・岐阜県山岳グレーディング・日本百名山グレーディング)

岐阜県「岐阜県山岳グレーディング一覧表」および「日本百名山における登山ルート・グレーディング一覧表」における黒部五郎岳の主要4ルートの数値は以下の通りです。

ルート名 体力度 技術的難易度 合計コースタイム ルート長 累積登り / 下り
折立 ⇄ 太郎平 ⇄ 北ノ俣岳 ⇄ 黒部五郎岳 往復 7 B 17.6時間(約17時間36分) 30.1km 2,290m / 2,290m
飛越トンネル ⇄ 寺地山 ⇄ 北ノ俣岳 ⇄ 黒部五郎岳 往復 7 C 16.5時間(百名山表17.0時間) 28.2km 2,400m / 2,400m
飛越トンネル → 黒部五郎岳 → 双六岳 → 新穂高 縦走 8 C 21.4時間(約21時間24分) 35.8km 2,810m / 3,170m
新穂高<小池新道・双六岳経由>往復 10 C 25.2時間(約25時間12分) 44.0km 3,670m / 3,670m

※体力度7は「1〜2泊以上が適当」、体力度8〜10は「2〜3泊以上が適当」な行程です。技術的難易度Bは「沢、崖、雪渓などを通過し、登山経験や地図読み能力が必要」、Cは「ハシゴ・くさり場、または一面の岩場や長大な雪渓などを通過し、確実な登下降技術が必要」なランクです。


1. 折立(太郎平・北ノ俣岳経由)往復コース

富山県側の折立(標高1,350m)から太郎平小屋、薬師峠分岐を経て、ゆるやかな稜線が続く太郎山・北ノ俣岳(上ノ岳・標高2,662m)・赤木岳・中俣乗越を縦走し、黒部五郎岳(標高2,840m)および黒部五郎小舎(標高2,350m)へ至るルートです。太郎平小屋と黒部五郎小舎を組み合わせた2泊3日以上の行程が一般的です。

コースデータ(日本百名山グレーディング一覧表・富山県)

  • 体力度 / 技術的難易度: 体力度 7 / 難易度 B
  • 合計コースタイム: 17.6時間(約17時間36分)
  • ルート長: 30.1km
  • 累積標高差: 登り 2,290m / 下り 2,290m
  • 主な経由地: 折立(標高1,350m) ⇄ 三角点 ⇄ 太郎平小屋 ⇄ 北ノ俣岳(上ノ岳) ⇄ 中俣乗越 ⇄ 黒部五郎岳(標高2,840m) ⇄ 黒部五郎小舎(標高2,350m)

2. 飛越トンネル(飛越新道・北ノ俣岳経由)往復コース

岐阜県高山市神岡町から大規模林道(高山大山線)でアクセスする飛越トンネル(標高1,448m)を起点に、飛越新道から寺地山・北ノ俣避難小屋・北ノ俣岳を経て黒部五郎岳へ往復するルートです。岐阜県山岳グレーディングの備考欄では「ルート中の宿泊場所1箇所のみ」(営業小屋は黒部五郎小舎のみ)と注意喚起されており、北ノ俣岳までの樹林帯ではぬかるみや木道が連続するため、行動時間と体力配分に注意が必要です。

コースデータ(岐阜県山岳グレーディング)

  • 体力度 / 技術的難易度: 体力度 7 / 難易度 C
  • 合計コースタイム: 16.5時間(日本百名山グレーディング一覧表では17.0時間)
  • ルート長: 28.2km
  • 累積標高差: 登り 2,400m / 下り 2,400m

3. 新穂高温泉(小池新道・双六岳・三俣蓮華岳経由)縦走・往復コース

新穂高温泉(標高1,091m)からわさび平小屋・鏡平山荘・双六小屋・三俣蓮華岳を経て黒部五郎小舎(双六小屋から約3時間30分)へ入り、黒部五郎カールまたは稜線コースで黒部五郎岳へ登るルートです。飛越トンネルからの片道縦走は体力度8・難易度C(21.4時間・35.8km)、新穂高温泉からの往復は体力度10・難易度C(25.2時間・44.0km)となり、双六小屋(または鏡平山荘)と黒部五郎小舎を組み合わせた2泊3日〜3泊4日の計画が必要です。


アクセスと登山口情報

1. 折立登山口(富山県側)

  • 路線バス(富山地方鉄道): 夏山シーズンにJR富山駅・電鉄富山駅および有峰口駅から折立行きの季節バス(立山黒部アルペンルート・有峰線方面)が運行されます(運行期間・事前予約の要否は富山地方鉄道の公式案内を確認してください)。
  • マイカー: 有峰林道(有料・夜間通行止め時間あり)を経由して折立駐車場へアクセスします。

2. 新穂高温泉登山口・飛越トンネル登山口(岐阜県側)

  • 新穂高温泉: JR高山駅から濃飛バス路線バスで「新穂高温泉」下車。マイカーは新穂高温泉登山者用駐車場(P3新穂高第2駐車場、予約制のP4・P6・P7、無料のP5・P8・P10など)を利用します。
  • 飛越トンネル: 公共交通機関はなく、神岡町側から林道(神岡・打保〜飛越トンネル)をマイカーまたはタクシーでアクセスします。林道は崩落等による通行規制が行われることがあるため、事前に高山市・岐阜県の道路規制情報を確認してください。

山小屋・テント場情報(2026年シーズン)

1. 黒部五郎小舎(標高2,350m・黒部五郎岳と三俣蓮華岳の鞍部)

双六小屋から約3時間30分、黒部五郎岳と三俣蓮華岳の鞍部(五郎平)に建つ山小屋です。双六小屋グループ公式サイトによると、2026年シーズンの営業概要は以下の通りです。

  • 2026年開設期間: 2026年7月10日(金)〜10月15日(木)(宿泊予約制・収容60名)
  • 宿泊料金(2026年・大人1名税込): 1泊2食 15,500円 / 1泊夕食 14,000円 / 素泊まり 11,000円 / 弁当 1,500円
  • テント場: 約30張(特定日のみWEB事前予約制、それ以外は予約不要。幕営料1人1泊 2,000円、外トイレチップ1回200円)

2. 太郎平小屋・薬師峠キャンプ場(太郎兵衛平・折立ルート)

折立登山口から太郎兵衛平に登り上げた分岐点(薬師岳方面と北ノ俣岳・黒部五郎岳方面の分岐)に太郎平小屋が位置し、薬師岳側へ進んだ薬師峠にキャンプ場が設けられています。営業期間・宿泊予約方法・料金等の最新情報は、入山前に富山県や公式案内で必ず確認してください。


3. 双六小屋(標高2,600m)

  • 2026年開設期間: 2026年7月10日(金)〜10月20日(火)(宿泊予約制・収容150名)
  • 宿泊料金(2026年・大人1名税込): 1泊2食 15,500円 / 1泊夕食 14,000円 / 素泊まり 11,000円
  • テント場: 約150張(特定日のみ予約制、幕営料1人1泊 2,000円)

見どころ

1. 氷河地形「黒部五郎カール」と雷岩

黒部五郎岳東面に広がる「黒部五郎カール」は、氷河によって削り取られた壮大なU字型の圏谷です。黒部五郎小舎から約1時間でカールのシンボルである巨岩「雷岩」に至り、清流が流れるカール底のお花畑(チングルマ、ハクサンイチゲ、ヨツバシオガマ、ウサギギクなど)を歩きながら黒部五郎岳の肩へ登り上げることができます。

2. 北アルプス最深部ならではの360度展望

標高2,840mの山頂からは、眼下に広がる黒部五郎カールと雲ノ平、正面の薬師岳・立山・劔岳、東側の水晶岳・鷲羽岳・三俣蓮華岳・双六岳、南東の槍ヶ岳・穂高連峰、南西の笠ヶ岳や白山まで、北アルプス中央部の峰々を一望できます。


注意点と安全登山のポイント

1. 長大なアプローチと山小屋の収容人数への配慮

黒部五郎岳はどの登山口からも1日で山頂に到達することが難しく、2泊3日以上の行程が必要です。特に飛越トンネルルートでは営業山小屋が黒部五郎小舎(収容60名)の1箇所のみとなるため、事前予約と無理のない行程計画を徹底してください。

2. カール内の残雪・増水と稜線の強風

7月〜8月中旬にかけては黒部五郎カール内に広範囲の雪渓が残り、融雪期や大雨時にはカール底の沢が増水して渡渉に注意が必要です。一方で稜線コースは風を遮るものがなく、悪天候時は強風と冷雨にさらされるため、天候や残雪状況に応じてコースを選択してください。

3. 富山県・岐阜県における登山届の提出

富山県および岐阜県北アルプス地区では、条例により登山計画書(登山届)の提出が定められています。入山前にオンライン(コンパス等)または各登山口の届出ポストへ必ず提出してください。


参考リンク

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執筆・確認

山日記編集部

実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。

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