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鷲羽岳 登山ガイド|新穂高温泉(小池新道・双六・三俣)コースと折立・高瀬ダム(裏銀座)縦走、三俣山荘・双六小屋情報【2026年】

Alpsdake, Wikimedia Commons(CC0 1.0)/水晶小屋から望む鷲羽岳

·⛰ 鷲羽岳 (2,924m)·長野県・富山県·難易度: 上級·⏱ 2泊3日〜3泊4日(新穂高温泉往復 約18時間/裏銀座縦走 約32時間20分)

鷲羽岳 登山ガイド|新穂高温泉(小池新道・双六・三俣)コースと折立・高瀬ダム(裏銀座)縦走、三俣山荘・双六小屋情報【2026年】

北アルプス深部・黒部源流域にそびえる日本百名山・鷲羽岳(標高2,924m)の登山ガイド。新穂高温泉から小池新道・双六小屋・三俣山荘を経由するコースや、高瀬ダムから裏銀座・槍ヶ岳へ抜ける縦走コース、折立からの周回コース、三俣山荘・双六小屋・水晶小屋の営業情報、鷲羽池・黒部川水源の見どころと注意点を公式情報に基づき解説します。

目次

  1. 鷲羽岳の基本情報
  2. ルート解説
  3. 1. 新穂高温泉〜小池新道・双六小屋・三俣山荘〜鷲羽岳コース(2泊3日)
  4. 2. 高瀬ダム〜烏帽子小屋・野口五郎岳・鷲羽岳〜新穂高温泉/槍ヶ岳(裏銀座縦走コース・3泊4日)
  5. 3. 折立〜太郎平・薬師沢・雲ノ平・鷲羽岳・三俣蓮華岳〜折立(周回コース・3泊4日)
  6. アクセス情報
  7. 新穂高温泉(岐阜県側)へのアクセス
  8. 高瀬ダム・七倉(長野県大町市側)へのアクセス
  9. 折立(富山県側)へのアクセス
  10. 山小屋・宿泊施設・キャンプ指定地情報
  11. 見どころ・ハイライト
  12. 鷲羽池と槍・穂高連峰、黒部源流の大展望
  13. 黒部川水源地標と高山植物の群落
  14. 注意点・安全登山のために
  15. 1. アプローチが長く、最低2泊3日以上の余裕ある計画が必要
  16. 2. 森林限界上の稜線における強風・低体温症対策
  17. 3. 伊藤新道(湯俣〜三俣山荘)通行時の高度な沢歩き・渡渉リスク
  18. 4. 登山届の提出(長野県・岐阜県・富山県)
  19. 参考リンク

鷲羽岳(わしばだけ・標高2,924m)は、長野県大町市と富山県富山市にまたがる飛騨山脈(北アルプス)深部の山で、日本百名山に選定されています。黒部川と信濃川水系の分水嶺に位置し、ワリモ岳・祖父岳・三俣蓮華岳(標高2,841.2m)とともに黒部川源流域を形成する核心部の峰です。山頂直下には火口湖の「鷲羽池」をたたえ、南西鞍部には三俣山荘が建っています。

本記事では、長野県・岐阜県・富山県・環境省の山のグレーディング、大町市観光協会、三俣山荘グループ、双六小屋、飛騨乗鞍観光協会などの公式情報に基づき、新穂高温泉(小池新道・双六・三俣)からの往復コース、高瀬ダムからの裏銀座縦走コース、折立からの雲ノ平・三俣蓮華岳周回コース、山小屋情報、見どころと注意点を解説します。

鷲羽岳の基本情報

項目 内容
山名 鷲羽岳(わしばだけ)
標高 2,924m(隣接する三俣蓮華岳 2,841.2m)
所在地 長野県大町市、富山県富山市(三俣蓮華岳は長野・富山・岐阜の3県境)
山域 北アルプス(飛騨山脈・中部山岳国立公園・黒部源流域)
代表コース ①新穂高温泉〜小池新道・双六・三俣山荘〜鷲羽岳コース(2泊3日)
②高瀬ダム〜烏帽子岳・鷲羽岳・三俣山荘〜新穂高温泉/槍ヶ岳・上高地(裏銀座縦走・3泊4日)
③折立〜雲ノ平・鷲羽岳・三俣蓮華岳周回コース(3泊4日)
体力度・技術度 ・三俣蓮華岳(新穂高・巻道ルート往復):体力度7/難易度B(コースタイム16.8時間・距離32.7km・累積登り2,470m・下り2,470m)+三俣山荘〜鷲羽岳往復
・裏銀座縦走(高瀬ダム→烏帽子岳・鷲羽岳・槍ヶ岳→上高地):体力度10/難易度C(コースタイム32.3時間・距離47.8km・累積登り3,840m・下り3,600m)
・周回 雲ノ平→三俣蓮華岳(折立発着・最高地点 鷲羽岳2,924m):体力度10/難易度B(コースタイム27.4時間・距離42.8km・累積登り3,580m・下り3,580m)
(出典:岐阜県・長野県・環境省 山のグレーディング)
適期 7月上旬〜10月中旬(三俣山荘の営業期間:2026年7月4日〜10月15日)
主な登山口 新穂高温泉(標高1,091m・岐阜県高山市)、高瀬ダム(標高1,271m・長野県大町市)、折立(標高1,350m・富山県富山市)

三俣山荘公式サイトのアクセス案内では、各登山口から三俣山荘までの目安コースタイムとして、新穂高温泉ルート(登り約10時間/下り約8時間)、折立ルート(登り約12時間/下り約10時間)、**伊藤新道ルート(登り約10時間/下り約8時間)**が示されています。どの登山口からもアプローチが長く、2泊3日〜3泊4日以上の行程を組む奥深い山域です。


ルート解説

1. 新穂高温泉〜小池新道・双六小屋・三俣山荘〜鷲羽岳コース(2泊3日)

岐阜県側の新穂高温泉からわさび平小屋・小池新道・鏡平山荘・双六小屋を経て三俣山荘へ入り、鷲羽岳を往復する最も利用者の多いアプローチです。

コース概要(三俣山荘公式・岐阜県山のグレーディングに基づく)

  • 1日目・2日目(新穂高温泉〜双六小屋〜三俣山荘〜鷲羽岳):新穂高温泉(標高1,091.2m) → 左俣林道・わさび平小屋 → 小池新道(秩父沢・シシウドヶ原) → 鏡平山荘 → 弓折乗越 → 双六小屋 →(巻道または双六岳・三俣蓮華岳稜線)→ 三俣峠 → 三俣山荘 → 鷲羽岳(標高2,924m) → 三俣山荘(新穂高温泉〜三俣山荘の登り目安約10時間)
  • 2日目・3日目(下山):三俣山荘 → 双六小屋 → 鏡平山荘 → 小池新道・わさび平小屋 → 新穂高温泉(三俣山荘〜新穂高温泉の下り目安約8時間)

岐阜県山のグレーディングでは、新穂高〜三俣蓮華岳(標高2,841.2m)〈巻道ルート〉往復が体力度7・技術的難易度B(合計コースタイム16.8時間、ルート長32.7km、累積登り標高差2,470m・累積下り標高差2,470m、ルート定数66.2)と評価されています。1日目に鏡平山荘または双六小屋、2日目に三俣山荘(または双六小屋連泊)に宿泊する2泊3日以上の計画が一般的です。

2. 高瀬ダム〜烏帽子小屋・野口五郎岳・鷲羽岳〜新穂高温泉/槍ヶ岳(裏銀座縦走コース・3泊4日)

長野県大町市の高瀬ダム(標高1,271m)からブナ立尾根を登り、烏帽子小屋・野口五郎岳・水晶小屋分岐(ワリモ北分岐)・ワリモ岳を経て鷲羽岳へ縦走する「裏銀座縦走コース」です。

コース概要(大町市観光協会モデルコース・長野県山のグレーディングに基づく)

  • 裏銀座満喫コース(3泊4日):高瀬ダム → ブナ立尾根 → 烏帽子小屋(泊) → 三ッ岳・野口五郎岳・ワリモ岳 → 鷲羽岳(標高2,924m) → 三俣山荘(泊) → 双六小屋 → 鏡平山荘(泊) → 小池新道 → 新穂高温泉
  • 裏銀座〜槍ヶ岳・上高地縦走コース(3泊4日):高瀬ダム(標高1,271m) → 烏帽子小屋(泊) → 野口五郎岳 → 鷲羽岳 → 三俣山荘(泊) → 双六小屋 → 西鎌尾根 → 槍ヶ岳山荘(泊)・槍ヶ岳(標高3,180m) → 槍沢 → 上高地(標高1,504m)

長野県山のグレーディングでは「縦 裏銀座(高瀬ダム・上高地)」が体力度10・技術的難易度C(合計コースタイム32.3時間、ルート長47.8km、累積登り標高差3,840m・累積下り標高差3,600m、ルート定数113.1)と評価されています。

3. 折立〜太郎平・薬師沢・雲ノ平・鷲羽岳・三俣蓮華岳〜折立(周回コース・3泊4日)

富山県側の折立(標高1,350m)を起点に、太郎平小屋から薬師沢小屋・雲ノ平・祖父岳・ワリモ岳を経て鷲羽岳に登り、三俣山荘・三俣蓮華岳・黒部五郎小舎・黒部五郎岳(または北ノ俣岳)を通って太郎平・折立へ戻る大周回ルートです。

コース概要(環境省百名山グレーディング・三俣山荘公式に基づく)

  • 行程:折立(標高1,350m) → 太郎平 → 薬師沢小屋 → 雲ノ平 → 祖父岳 → ワリモ岳 → 鷲羽岳(標高2,924m) → 三俣山荘 → 三俣蓮華岳 → 黒部五郎小舎・黒部五郎岳(または北ノ俣岳) → 太郎平 → 折立
  • グレーディング数値:体力度10・技術的難易度B(合計コースタイム27.4時間、ルート長42.8km、累積登り標高差3,580m・累積下り標高差3,580m、ルート定数100.1)

アクセス情報

新穂高温泉(岐阜県側)へのアクセス

  • 公共交通機関:JR高山駅(高山本線)またはJR松本駅(篠ノ井線)から濃飛バス・アルピコ交通の路線バスを利用し、新穂高ロープウェイ(新穂高温泉)バス停下車。
  • マイカー・駐車場:飛騨乗鞍観光協会の公式案内によると、新穂高温泉には登山者用無料駐車場として「新穂高第3駐車場(深山荘露天風呂近く・約200台)」および「鍋平高原登山者用駐車場(旧ヘリポート・約150台、新穂高温泉まで徒歩約45分・路線バス利用可)」があります。鍋平園地内駐車場(約450台)は冬期閉鎖期間(11月中旬〜4月中旬頃)があり、期間中は駐車できません。また、新穂高ロープウェイの駐車場(第1・第2および鍋平高原第1・第2駐車場)はロープウェイ利用者専用(有料)のため、登山者は駐車できません。

高瀬ダム・七倉(長野県大町市側)へのアクセス

  • マイカー・特定タクシー:大町市観光協会の公式案内によると、七倉登山相談所(七倉ゲート)から高瀬ダムまでの5.8kmは東京電力リニューアブルパワー株式会社の「新高瀬川発電所管理用道路」であり、一般車両(自転車を含む)の通行はできません。七倉ゲートから高瀬ダムまでは特定タクシー(アルピコタクシー・アルプス第一交通、往復40分弱)を利用します。
  • 特定タクシーの通行可能時間:4月中旬〜8月31日は5:00〜19:00、9月1日〜9月30日は5:30〜18:30、10月1日〜県道槍ヶ岳線冬期閉鎖日前日は6:00〜17:00(規制雨量に達した場合は時間内でも通行止め)。高瀬ダムから下山時にタクシーを呼ぶ場合は、通行終了時間の1時間30分前までに高瀬ダム管理所前の公衆電話等からタクシー会社へ連絡する必要があります(高瀬ダム天端は携帯電話の電波状況が悪いため公衆電話を利用)。

折立(富山県側)へのアクセス

  • マイカー(有峰林道):富山県側から有峰林道(有料道路、夜間通行止めおよび冬期閉鎖あり)を経由して折立登山口駐車場へアクセスします。

山小屋・宿泊施設・キャンプ指定地情報

施設名 所在地・位置 2026年営業期間 料金(2026年公式発表) 予約・備考
三俣山荘 鷲羽岳と三俣蓮華岳の鞍部 7月4日〜10月15日 1泊2食 14,500円〜16,500円(通常日14,500円〜/準繁忙日15,500円〜/繁忙日16,500円〜)
素泊まり 9,500円〜11,500円
宿泊は完全予約制(宿泊日の60日前からオンライン予約・予約金制度あり)。
キャンプ指定地:1人1泊2,500円。展望食堂(サイフォンコーヒー・ジビエ料理等)あり。
水晶小屋 水晶岳南方の稜線(裏銀座縦走路) 7月10日〜9月30日 1泊2食 14,500円〜16,500円
素泊まり 9,500円〜11,500円
宿泊は完全予約制(宿泊日の60日前からオンライン予約・予約金制度あり)。
稜線上で水場なし。テント場なし。
双六小屋 双六岳と樅沢岳の鞍部(標高約2,550m) 4月27日〜5月5日(春山)、6月20日〜10月19日(夏秋) 1泊2食 15,000円(個室料別途1室7,000円)
素泊まり 10,000円/弁当 1,500円
宿泊は予約制(WEB予約・電話予約)。
キャンプ指定地(約60張):予約不要、1人1泊2,000円。
鏡平山荘 小池新道上部・鏡池畔(標高約2,300m) 7月10日〜10月15日 1泊2食 15,000円
素泊まり 10,000円/弁当 1,500円
宿泊は予約制。テント場なし(キャンプ不可)。
わさび平小屋 左俣林道沿い(標高約1,400m) 7月10日〜10月16日 1泊2食 13,500円〜 宿泊は要予約。キャンプ指定地(約30張・予約不要)。
烏帽子小屋 烏帽子岳南方の稜線(裏銀座縦走路) 7月11日〜9月30日 1泊2食 15,000円/素泊まり 11,000円/弁当 1,000円 宿泊(約30名)・テント場(約20張・1人2,000円)ともに要予約。水場なし(小屋にて1リットル200円)。
湯俣山荘 湯俣温泉(伊藤新道・高瀬川上流) 5月1〜5日、6月12〜14日、7月18日〜11月7日 三俣山荘グループ公式予約カレンダー参照 宿泊は予約制(宿泊日の60日前からオンライン予約)。

※営業期間・料金は天候や物資輸送状況等により変更される場合があります。出発前に各山小屋の公式サイトで最新情報を確認してください。


見どころ・ハイライト

鷲羽池と槍・穂高連峰、黒部源流の大展望

鷲羽岳山頂(標高2,924m)から南側を見下ろすと、火口湖である「鷲羽池」が丸い水面をたたえています。山頂からは槍ヶ岳〜穂高連峰の稜線をはじめ、黒部五郎岳、薬師岳、水晶岳、赤牛岳、雲ノ平、立山・剱岳まで北アルプス全域の峰々を見渡せます。

黒部川水源地標と高山植物の群落

鷲羽岳・ワリモ岳・祖父岳・三俣蓮華岳に囲まれた鉢状の谷は、富山湾へ注ぐ黒部川の源流域です。三俣山荘から黒部川源流へ下るルート沿いには「黒部川水源地標」が置かれ、短い夏にはチングルマやハクサンイチゲ、コマクサなどの高山植物が咲きます。三俣山荘の展望食堂からは、正面にそびえる鷲羽岳や槍・穂高連峰を望むことができます。


注意点・安全登山のために

1. アプローチが長く、最低2泊3日以上の余裕ある計画が必要

鷲羽岳はどの登山口(新穂高温泉・高瀬ダム・折立)からも片道10時間〜12時間前後の歩行を要する北アルプス最深部に位置しています。日帰りや無理な1泊2日計画は行動時間が極端に長くなり遭難リスクが高まるため、天候悪化時の停滞も含めて2泊3日〜3泊4日以上の余裕ある日程と、早出早着(14時〜15時までの山小屋到着)を徹底してください。

2. 森林限界上の稜線における強風・低体温症対策

双六岳〜三俣蓮華岳〜鷲羽岳〜水晶岳〜烏帽子岳へと続く稜線は標高2,500m〜2,900m超の森林限界上にあり、遮るものがないため強風や濃霧・降雨時に急激に体温を奪われます。夏山シーズンであっても防風・防水性に優れたレインウェア上下、防寒着、手袋・ニット帽を必ず携行してください。

3. 伊藤新道(湯俣〜三俣山荘)通行時の高度な沢歩き・渡渉リスク

湯俣温泉から三俣山荘へ登る「伊藤新道」は、湯俣川の渡渉を繰り返すバリエーション要素の強いルートであり、降雨による増水時は通行不能となります。一般登山道とは異なる装備・判断力が求められるため、初心者は小池新道(新穂高温泉)などの一般ルートを利用し、伊藤新道を通行する場合は三俣山荘グループ公式の最新情報と気象条件を必ず確認してください。

4. 登山届の提出(長野県・岐阜県・富山県)

北アルプス山域では登山計画書(登山届)の提出が必要です。出発前に長野県・岐阜県・富山県の案内するオンラインシステムや各登山口(新穂高登山指導センター、七倉登山相談所、折立など)の登山届ポストへ必ず提出してください。

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執筆・確認

山日記編集部

実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。

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