
写真:Yones, Wikimedia Commons(パブリックドメイン)/中之嶽神社側から見上げた妙義山の岩峰
妙義山登山ガイド|中間道・石門めぐり・大の字の難易度の違い、上級の縦走ルートに入らない理由、道の駅みょうぎ・中之嶽神社の駐車場とアクセスを解説
群馬県の妙義山(白雲山・相馬岳1,104m)は、標高のわりに岩場と鎖場が多く、歩く道によって難しさがまったく違う山です。富岡市が分けている「一般(中間道)」「中級(石門めぐり・大の字)」「上級(縦走ルート)」の3段階を軸に、中間道の所要時間、鎖場のある中級コースの注意、滑落死亡事故が起きている上級ルート、2025年12月の山火事後の規制解除、道の駅みょうぎ・中之嶽神社側の駐車場とアクセス、熊・ヤマビル・季節ごとの注意を公式情報で整理します。
目次
- 妙義山は「どの道を歩くか」で、初心者向けにも上級者限定にもなる
- 出かける前に知っておきたい規制と注意
- 山火事による通行止めと、2025年12月27日の解除
- 第四石門と第2見晴付近の鋼製階段
- 熊の目撃が続いている
- 一般登山道:中間道(関東ふれあいの道)
- 所要時間の目安(群馬県)
- 「軽装で歩ける」の意味
- 片道の道なので、帰り方を先に決める
- 中級登山道:石門めぐりと大の字ルート
- 石門めぐり(中之嶽神社側)
- 大の字ルート(妙義神社側)
- 上級登山道:縦走ルートに「一般登山者は入らない」
- アクセスと駐車場:妙義神社側と中之嶽神社側
- 妙義神社側(富岡市)
- 中之嶽神社側(下仁田町)
- 装備と、登山者カード
- 季節ごとの注意
- 春:桜と新緑の季節
- 夏:ヤマビルと雨のあとの岩
- 秋:紅葉と、早い日暮れ・落ち葉
- 冬:凍結と雪
- よくある質問
- 登山初心者でも妙義山に登れますか?
- 妙義山の山頂(相馬岳)に一般の登山道で行けますか?
- 山火事のあと、登山道は歩けますか?
- 電車で行けますか?
- 関東のほかの山のガイドはありますか?
- 参考リンク
妙義山は「どの道を歩くか」で、初心者向けにも上級者限定にもなる
妙義山は、群馬県の西部にそびえる岩山です。群馬県によると、白雲山(1,104m)、金洞山(1,094m)、金鶏山(856m)の3つのピークからなり、ほとんどが妙義荒船佐久高原国定公園に含まれます。最高点は白雲山の相馬岳です。赤城山・榛名山とともに「上毛三山」のひとつで、大分県の耶馬渓、香川県の寒霞渓と並ぶ「日本三奇勝」にも数えられています。
標高は1,100m余りですが、この山を標高で判断するのは危険です。富岡市観光協会は妙義山の登山道を次の3段階に分けて案内しています。
| 区分 | 主なルート | どんな道か |
|---|---|---|
| 一般登山道 | 中間道(関東ふれあいの道) | 山腹を巡る、比較的アップダウンの少ない道。群馬県は「比較的軽装で楽しむことができる」と案内 |
| 中級登山道 | 石門めぐりルート、大の字ルート | 鎖場がある。登山経験と装備が必要 |
| 上級登山道 | 縦走ルート(白雲山・金洞山の稜線) | 険しい岩場が連続。滑落死亡事故が発生しており、一般登山者は立ち入らないよう呼びかけられている |
つまり、妙義山で「登山初心者でも歩ける」のは中間道までです。山頂(相馬岳)や金洞山の頂に立つには上級登山道を通ることになり、群馬県も「中間道から上、金洞山や白雲山に登る上級者コースには、険しい岩場が多くあり大変危険です。初心者の方は決して登らないで下さい」と書いています。また、金鶏山は入山禁止です。
このガイドでは、山頂を目指す登り方ではなく、一般・中級の道をどう選ぶかを中心にまとめます。
出典:県立妙義公園(群馬県)、妙義山登山道(しるくるとみおか・富岡市観光協会)

出かける前に知っておきたい規制と注意
山火事による通行止めと、2025年12月27日の解除
妙義山の山火事(林野火災)の影響で、中間道や金洞山・白雲山の登山道が通行止めになっていました。12月25日に妙義山岳会・群馬県・下仁田町・富岡市の関係者が登山道を点検し、倒木の除去やロープの設置などを行ったうえで、2025年12月27日(土)から全ての登山道(中間道、石門めぐり・大の字、縦走ルート)の入山規制が解除されています。
ただし富岡市観光協会は、点検後の風雨などで現場の状況が変わっている可能性があるとして、入山の際には十分注意するよう呼びかけています。足元や鎖場の状態に気を配って歩いてください。
出典:妙義山登山道の入山規制解除(富岡市)、妙義山登山道(しるくるとみおか・2026年3月6日)、県立妙義公園(群馬県)
第四石門と第2見晴付近の鋼製階段
中間道の「第四石門」と「第2見晴付近の鋼製階段」は通行止めになっていた時期があり、2024年6月7日に解除されています。妙義山では過去にも区間ごとの通行止めがあったため、出発前に群馬県と富岡市観光協会のページで最新の状況を確かめてください。
出典:県立妙義公園(群馬県)
熊の目撃が続いている
富岡市観光協会には、中間道の「大黒の滝〜本読みの僧」間(2025年4月)、中之嶽神社〜道の駅みょうぎ間の県道周辺(2024年4月)、「大砲岩と堀切入口の中間あたり」や「タルワキ沢出合から第二見晴近くの鋼製階段の間」での子連れの熊(2023年4月以降)など、目撃・遭遇情報が寄せられています。熊よけの鈴などを持ち、少人数での入山を避けるよう呼びかけられています。熊鈴の考え方は熊鈴は必要?、出没情報の調べ方はクママップの使い方にまとめています。
出典:【妙義山登山道】熊の遭遇・目撃情報について(しるくるとみおか)
一般登山道:中間道(関東ふれあいの道)
中間道は、妙義神社側と中之嶽神社側を山腹でつなぐ道で、「関東ふれあいの道」の一部です。群馬県は「比較的アップダウンのないコース」と紹介し、途中の第1見晴・第2見晴からの眺めや、大砲岩・第4石門などの奇岩を間近に見られると案内しています。
所要時間の目安(群馬県)
| 区間 | 目安 |
|---|---|
| 妙義旅館街 〜 妙義神社 | 10分 |
| 妙義神社 〜 第1見晴 | 35分 |
| 第1見晴 〜 第2見晴 | 20分 |
| 第2見晴 〜 タルワキ沢入口 | 15分 |
| タルワキ沢入口 〜 四阿 | 35分 |
| 四阿 〜 大砲岩 | 60分 |
| 大砲岩 〜 第4石門 | 10分 |
| 第4石門 〜 中之岳神社 | 40分 |
| 合計(片道) | 約3時間45分 |
富岡市観光協会の「妙義山登山MAP(ver.2025.03)」では、向きごとに時間が書き分けられていて、区間によっては向きによって5〜10分ほど差があります。
出典:県立妙義公園(群馬県)、妙義山登山マップ2025(しるくるとみおか・PDF)
「軽装で歩ける」の意味
群馬県の「比較的軽装で」は、岩場を登る装備がいらないという意味で、街歩きの格好でよいという意味ではありません。群馬県の「妙義山安全登山マップ」には、一般コースでも登山シューズ、雨具、十分な食料・飲み物などの装備を整えるようにと書かれています。登山MAPには、中間道に鋼製階段(174段)や鉄階段(約170段)があること、四阿から大人場(おにんば)方面へ下る道に「軽石多く滑りやすい」という注意書きがあることも記されています。
片道の道なので、帰り方を先に決める
中間道は妙義神社(富岡市)と中之嶽神社(下仁田町)を結ぶ一方通行の形の道です。車で行く場合、通して歩くと車を置いた側へ戻る方法が必要になります。来た道を引き返すか、片側の区間だけを歩いて往復するかを、出発前に決めておくと無理がありません。タクシーなど公共の手段については後述のアクセスの節を参照してください。

中級登山道:石門めぐりと大の字ルート
石門めぐり(中之嶽神社側)
中之嶽神社の近くにある県立妙義公園は、金洞山の南東のふもとに広がる石門群の一帯です。妙義山の石門の景観は、大正12年(1923年)に国の名勝に指定されています。第1石門から第4石門をくぐり、大砲岩などの奇岩を見ながら歩くのが石門めぐりです。
群馬県の「妙義山安全登山マップ(中之岳・石門めぐりコース)」は、道を4つのレベルに分けています。
- レベル1:注意して登れば安全
- レベル2:鎖場等有り、多少の体力が必要
- レベル3:体力と技術が必要
- レベル4:専門的技術と体力を有する者のみ可
同じマップには、石門入口の先に「急な鎖場」や「鎖のない岩場の連続」、中之岳・鷹戻し方面の危険箇所、滑落事故などの発生現場が記されています。石門めぐりは鎖場のある中級ルートで、その上の中之岳・東岳・鷹戻しは上級ルートです。分岐を見落として上級ルートへ入り込まないよう、地図で分岐の位置を確かめてから歩いてください。
出典:妙義山安全登山マップ(中之岳・石門めぐりコース)(群馬県・PDF)、県立妙義公園(群馬県)
大の字ルート(妙義神社側)
妙義神社から見上げる白雲山の中腹には、白い「大」の字があります。富岡市観光協会によると「妙義大権現」の「大」の文字で、かつては中山道を通る旅人の目印になっていました。この「大の字」まで登る道が大の字ルートで、富岡市観光協会は中級登山道に分類しています。
登山MAPを見ると、大の字の先の「辻」から奥の院・見晴・白雲山方面は上級登山道です。大の字まで行った人が、そのまま稜線へ続く道に入らないよう注意が必要です。
出典:【名峰】妙義山(しるくるとみおか)、妙義山登山マップ2025(しるくるとみおか・PDF)

上級登山道:縦走ルートに「一般登山者は入らない」
白雲山と金洞山の稜線をたどる縦走ルートについて、富岡市観光協会は「滑落死亡事故が発生しています。一般登山者の立ち入りはご遠慮ください」と明記しています。登山MAPにも「滑落事故多発」と大きく書かれ、鷹戻しや堀切、相馬岳周辺などに危険箇所の印が並びます。
山頂を目指したくなる山ですが、妙義山の山頂(相馬岳)に一般登山道で立てる道はありません。岩場の登下降に慣れていない人は、中間道や石門めぐりで妙義山らしい景色を楽しむのが、この山との無理のない付き合い方です。

アクセスと駐車場:妙義神社側と中之嶽神社側
妙義神社側(富岡市)
- 車:上信越自動車道の松井田妙義ICから約5分。妙義神社は、道の駅みょうぎ(みょうぎ物産センター)の無料駐車場に停めるよう案内しています
- 駐車場:上信電鉄の観光案内では、道の駅みょうぎの駐車場は小型99台・大型5台・障害者用3台です
- 道の駅の営業時間:9:00〜17:00(12月〜2月は16:00まで)
- 電車+タクシー:JR信越本線の松井田駅からタクシーで約10分、磯部駅から約15分(妙義神社の案内)
- 愛タク:富岡市のデマンド型乗合タクシー「愛タク」の停留所「妙義神社」(280)があります。事前予約制で、毎日8:00〜17:00の運行、運賃は市外からの利用者は1乗車500円です。予約は利用日の5日前から乗車希望時刻の20分前まで
道の駅みょうぎの周辺は「妙義山パノラマパーク」として整備されていて、富岡市妙義ビジターセンターや日帰り温泉「もみじの湯」があります。
出典:アクセス(妙義神社)、道の駅みょうぎ、妙義山(上信電鉄)、デマンド型乗合タクシー「愛タク」(富岡市)、【国指定重要文化財】妙義神社(しるくるとみおか)
中之嶽神社側(下仁田町)
- 車:松井田妙義ICから約15分、下仁田ICから約25分(中之嶽神社の案内)
- 駐車場:中之嶽神社は「県立妙義公園大駐車場」(普通車500台・バス30台、無料)を案内しています。群馬県は県立妙義公園の施設として「中之岳駐車場」(普通車100台・大型バス10台)を挙げています
- 電車+タクシー:JR信越本線の磯部駅からタクシーで約25分、上信電鉄の下仁田駅からタクシーで約25分(中之嶽神社の案内)
- 石門登山道入口の正面には県立妙義公園の無料休憩所があり、中にトイレがあります(中之嶽神社のお知らせ)
出典:アクセス(妙義山 中之嶽神社)、石門巡り登山道が開通しました(中之嶽神社)、県立妙義公園(群馬県)

装備と、登山者カード
富岡市観光協会は、妙義山は岩場や鎖場が多いとして、ヘルメットの着用など十分な装備と体調管理を呼びかけています。群馬県の安全登山マップは、一般コースでも登山シューズ・雨具・十分な食料と飲み物を、と書いています。これらをもとに、歩く道ごとの持ち物を整理すると次のようになります。
| 持ち物 | 中間道 | 石門めぐり・大の字 |
|---|---|---|
| 登山靴 | 必要 | 必要 |
| 雨具・防寒着 | 必要 | 必要 |
| 食料・飲み物 | 必要 | 必要 |
| ヘルメット | 着用がすすめられている | 着用する |
| 手袋(鎖をつかむため) | あると安心 | 必要 |
| 熊鈴など | 必要 | 必要 |
| ヘッドライト | 必要(晩秋は特に) | 必要(晩秋は特に) |
登山MAPと群馬県の安全登山マップは、登山者カードの提出を求めています。提出箇所は登山MAPに記されています。事故が起きたときは110番に通報し、警察の指示に従うよう案内されています。
出典:妙義山登山道(しるくるとみおか)、妙義山安全登山マップ(群馬県・PDF)、妙義山登山マップ2025(しるくるとみおか・PDF)
季節ごとの注意
春:桜と新緑の季節
妙義神社の境内と参道はしだれ桜で知られ、樹齢200年余りの古木が4月上旬に花を咲かせると、富岡市観光協会の「妙義山登山MAP」の裏面で紹介されています。富岡市観光協会は、妙義山を「春は桜と新緑、秋は紅葉の名所」と案内しています。
出典:妙義山登山マップ2025(しるくるとみおか・PDF)、【名峰】妙義山(しるくるとみおか)
夏:ヤマビルと雨のあとの岩
富岡市観光協会によると、妙義山周辺にはヤマビルが生息しています。活動時期は一般に4月から11月ごろで、特に6月から9月は生息密度が高まり、雨の中や雨のあとに活発になります。長袖・長ズボンで肌を出さず、靴と足のすき間をできるだけなくすこと、ヒル用の忌避剤を使うことがすすめられています。雨のあとは鎖場の岩も滑りやすくなります。

秋:紅葉と、早い日暮れ・落ち葉
富岡市観光協会は、秋には妙義三山が赤や黄色の紅葉に覆われると紹介しています。紅葉の時期は登山者も増えるため、時間に余裕を持った計画が大切です。晩秋は日没が早く、中間道を通して歩くと片道で約3時間45分かかるので、遅い時間からの出発は避けてください(晩秋の登山は日没に注意)。落ち葉で足元の石や段差が見えにくくなる点にも注意が必要です(晩秋の落ち葉で登山道が見えにくくなる)。11月以降は狩猟期とも重なるため、目立つ色の服装も意識しておくと安心です(狩猟シーズン中の登山注意)。
冬:凍結と雪
冬は登山道の凍結や積雪がありえます。岩場や鎖場、鉄階段が凍ると、夏とは比べものにならないほど危険になります。冬に歩く場合は、凍結した道の歩き方と滑り止めの準備(晩秋の凍結した登山道)を確認し、不安があれば見送る判断も必要です。道の駅みょうぎは12月〜2月は16:00で閉まります。
よくある質問
登山初心者でも妙義山に登れますか?
一般登山道の中間道なら、登山靴・雨具・食料などをそろえれば歩けます。群馬県は「比較的軽装で楽しむことができる」と案内していますが、階段や滑りやすい場所もあります。石門めぐりと大の字ルートは鎖場のある中級、稜線の縦走ルートは上級で、初心者は入らないよう群馬県と富岡市観光協会が呼びかけています。
妙義山の山頂(相馬岳)に一般の登山道で行けますか?
行けません。相馬岳(1,104m)や金洞山の東岳(1,094m)は上級登山道の上にあり、滑落死亡事故が発生しているため、一般登山者は立ち入らないよう案内されています。
山火事のあと、登山道は歩けますか?
2025年12月27日に全ての登山道の入山規制が解除されています。ただし、点検後の風雨で状況が変わっている可能性があるとして注意が呼びかけられています。出かける前に群馬県と富岡市観光協会のページを確認してください。
電車で行けますか?
妙義神社へはJR松井田駅からタクシーで約10分、中之嶽神社へはJR磯部駅または上信電鉄の下仁田駅からタクシーで約25分です。妙義神社には富岡市のデマンド型乗合タクシー「愛タク」の停留所もあります(事前予約制)。
関東のほかの山のガイドはありますか?
関東から日帰りで行ける百名山は関東から日帰りできる百名山まとめ、紅葉の山は紅葉が綺麗な関東日帰り登山おすすめ15選にまとめています。同じ上毛三山の赤城山のガイドもあります。
参考リンク
執筆・確認
山日記編集部
実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。